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UPDATE|2023/11/15

本格的なライブシーンが話題、ドラマ『パリピ孔明』制作陣が語る原作との変更点や撮影の苦労

(C)フジテレビ


──このシーン以外で変更した印象的なシーンはありますか?

八尾さん 4話で孔明がKABE太人(宮世琉弥)とラップバトルするシーンも少し変えています。原作では両者がラップしている最中、白熱する二人を三国時代の武将に例えて、姜維と趙雲のイラストが出てくる描写があります。漫画ならではの表現で面白いと思ったのですが、ドラマでやる場合にはCGを使うなど方法はありますが、色々ハードルはあります。無理に漫画と同じ表現にせずとも、実写として白熱する孔明&KABEのお芝居で見せ切ろうと、そこは無しにしました。

──“あえてアナログで表現する”というのも魅力的に映りますよね。

八尾さん また、このシーンでは孔明が「兵・法!(HEY HO!)」と観客を煽るところも変更しています。原作では孔明の熱いラップを象徴するイメージとして“文官達が何人もいるように見える”という錯覚を観客が起こすのですが、演出を務める渋江修平さんのアイデアで、“錯覚ではなく文官役のエキストラを孔明が雇った”という設定にして、物理的に孔明の背後に文官が出現する演出にしました。

──映像的に違和感なく、むしろ「孔明ならやりかねない」と思えて面白いです。

八尾さん CGで居ないものを居るように見せることも技術的にはもちろん可能ですが、敢えてアナログな孔明らしい方法を取るところが好きです。休憩のタイミングを見計らって、文官達がステージ上から退場するように孔明が指示しています。その際に孔明は文官達の姿が見えないように袖を広げて隠しています。渋江さんらしい細かい演出ですが、見返してもらえると楽しんでもらえるのではないでしょうか。

──特に音楽に対するこだわりが強いドラマになっていますね。

八尾さん キャスティングからこだわっています。英子役の上白石さんをはじめ、ミア西表役の菅原小春さん、マリア役のアヴちゃんなど、本物だから出せる上質感を大事にしました。

──演出面ではどういったこだわりが?

八尾さん 明確に音楽シーンで意識したことは“歌詞を入れる”ということです。歌詞を入れることになった経緯として、ラップバトルがあるため「歌詞がないと視聴者は何を言っているかわからないよね」というところから始まっています。ただ、ラップバトルだけ歌詞を出すと、それはそれで良くないと思い、一貫して歌詞を入れる方向にしました。

──ラップバトルは歌詞がないと困りますしね。

八尾さん ラップだけじゃなく、歌詞を入れることはこのドラマを一番効果的に伝えられる手段だと思いました。初めて聞く曲の場合、あまり歌詞を全て聞き取るのは難しいと思います。歌詞を表示することで、例えば英子が『DREAMER』が歌う時に歌詞に込められた思いが伝わりやすくなります。『DREAMER』以外もクオリティにかなりこだわり抜いた楽曲ばかりなので、歌詞の良さを伝えるうえで良い選択だったと思います。

──楽曲のクオリティもそうですが、熱気十分なライブシーンに引き込まれる人も多いです。ライブシーンで意識していることは?

髙木さん パフォーマンスする際の空間・環境は重要視しています。BBラウンジはフジテレビのスタジオ内でセットを組んでいるのですが、通常だとスタジオの照明を使用するのですが、クラブ照明をやっている方を呼び、リアルなクラブの空間を再現しました。

──2話の『アートフェス(野外フェス)』でも本物のフェスさながらの空間でした。

髙木さん 竹芝近くの場所を4日間借りて撮影しました。やはり熱気を作るのは観客の存在ですが、ありがたいことに多くのエキストラさんに参加してもらいました。ただ、エキストラ募集をかけた時は、まだまだ情報解禁できないことが多く、大々的に「『パリピ孔明』の撮影です!」とは言えなかった。そのため、エキストラさんを集めるのには苦労しました。
AUTHOR

望月 悠木


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