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UPDATE|2019/12/08

「震災から3カ月後、気仙沼から届いた吉報」公明党・太田昭宏議員の“現場主義”という信条

左から太田昭宏議員、井上咲楽 撮影/武田敏将



井上 ここ数年、異常気象が多すぎて麻痺してきていますけど、やっぱり昔と比べて全然違うものですか?

太田 台風19号では、大雨特別警報がなんと13都県に出ました。この特別警報は、「注意報や警報では弱い。本当にいまだかつてない大雨だから、逃げないと危ない」という意識を持ってもらうために、作ったもの。それでもほんの5年前は1年に1、2回出るかどうかだった。それも複数の県にまたがるのではなく、単一の県でおさまる大雨がほとんど。

井上 例えばゲリラ豪雨のような?

太田 そうです。もしくは集中豪雨と呼ばれるように、「降雨が局地化、集中化、激甚化している」ことを背景に作った警報でもあったんです。ところが、昨年の西日本豪雨では、岡山、広島、愛媛などの11府県に特別警報が出て、今回は東日本と東北の13都県に及んだ。明らかに風雨の規模がケタ違いになり、暴風雨圏が広く強くなっています。

井上 確かに、「50年に1回の、100年に1回の……」と言葉を毎年聞いているような気がします。

太田 数年を見ただけで災害が激甚化していると言い切るのは早いかもしれない。しかし、防災という観点では、「5年に1回はこういう雨がくる」くらいの覚悟を決めて取り組むべき。次は50年後……ではなく、来年かもしれない、と。こうした認識を広めていくことが重要ですね。

井上 私の地元の栃木県にも特別警報がでましたし、報道で氾濫した河川、ぎりぎり守られた場所の映像を観て、いざというときの備えの大切さに気づいた人も多いと思います。

太田 例えば、八ッ場ダムが効いてよかったな。民主党政権が工事を一旦中止したのが、2009年。これを再び着工、工事を再開させたのは私が国交大臣のときなんです。それがね、本当に良かったと思う。今年の9月にほぼ完成して、10月1日から水を貯め始めたところだったから。

井上 奇跡的なタイミングですね。

太田 利根川の上流には八ッ場ダムを含め、7つのダムがあって1億4500万トンの水を貯めた。そのうち八ッ場ダムは5割強の7500万トンを受け止めたからね。防災対策にはハードとソフト両面が必要で、タイムラインやハザードマップがソフト面ならば、ダムや水門、堤防の整備などはハード面。今後も両面の対策強化を進めていく必要がある。来年は東京オリンピック・パラリンピック。ますます世界から多くの観光客がくるでしょう。そのとき、「日本は確かに台風もくるし、地震もあるけれど、大丈夫。災害列島と言われるけど、対応はきっちりできているよ」と、そう胸の張れる国にしていかないとね。

井上 太田さんは現場主義を信条とされていると聞きました。

CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/武田敏将


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