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UPDATE|2020/01/02

木下百花(元NMB48)が“kinoshita”として音楽活動を開始したワケ「自分の経歴がゴミになる前に」

kinoshita 撮影/武田敏将



kinoshita 一時期私の周りみんな病んでて、みんな「死にたい」とか言ってて。でも私は別に死にたいとは思わへんなぁって思いながら作った曲ですね。私の歌詞はどれも私の半径5メートル以内の出来事なので、死ぬとか生きるとかそういう歌詞も出てくるんですよ。

──日々の生活と楽曲が密接にリンクしているんですね。

kinoshita はい。だから逆に架空の物語みたいな歌詞は私には書けない。書くと恥ずかしくなってくる。それに、自分の生活から生まれた歌詞の方が歌っていて気持ちが乗りますから。

──アイドル時代の歌う行為と、今の自分で作った曲を歌う行為では、やっぱり気持ちは違いますか。

kinoshita いやもう全然違いますよ! 『プライオリティー』(NMB48在籍時のソロ楽曲)を歌っているときなんて「私、何やってるんやろ」って思ってましたから(笑)。もちろん秋元(康)さんが作った曲は私では絶対書けないものだから、昔と今では全然違うことをやっている感覚です。

──自作の楽曲に対してファンから反響もあると思います。

kinoshita この前ライブで歌っていたら、目の前で年配の男性が泣いていたんですよ。そのとき歌っていたのは「女の子ってこういう曲好きなんやろな」と思いながら作った曲で、自分では全然共感できない歌詞だったんですけど、それを聴いて泣いているから驚きました。自分が共感できない曲に共感してくれる人がいるというのは不思議な感覚だったし、人ってそれぞれ価値観が違うんやなと実感しました。

──さて、kinoshitaさんがNMB48に加入したのは親御さんが勝手に応募したからという経緯だったと思うのですが、今の音楽活動は自分の意志で行なっているものですよね。アイドル時代とは違って責任も背負っていると思うのですが。

kinoshita ない。

──ないんですか! 「大人も力を貸してくれているから自分がしっかりしなきゃ」とか。

kinoshita まったくない! そんなもん知るか、と(笑)。私は自分がやりたいことをやるから、大人は勝手に搾取してくれって感じです。確かに昔みたいに私が休んでも誰かが代わりにとはいかないけど。

CREDIT

撮影/武田敏将 取材・文/左藤豊


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