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UPDATE|2019/05/29

全てはHKT48のために…指原莉乃が福岡・感謝祭に散りばめた未来へのヒント

「指原莉乃11年ありがとう!大感謝祭」(C)AKS


ふと気がついたが、今日はオープニング映像(横浜スタジアムでの模様)が流れたあと、すぐに指原が歌い出したので、お約束の『OVERTURE』が流れていない。もうHKT48のメンバーではない、という彼女なりのケジメを感じさせられる出来事だった。

そして、主役の座もHKT48のメンバーに譲る。

印象的だったのは、6月に卒業する岩花詩乃をセンターに据えた『純情主義』。この曲で指原は完全にバックダンサーに徹した。同じく卒業を発表した駒田京伽とは『Choose me!』を2人で披露。自分が去ったあとに卒業を発表したメンバーたちに、1曲とはいえ大舞台で主役を張らせることで、最高の思い出と花道を作る。なんとも粋な演出である。

三四郎をMCに招いてのトークコーナーでは、5期生を全員、ステージにあげて『HKTBINGO!』を彷彿とさせるピンネタを披露させた。一応、指原が「5期生のことをよく知らないまま卒業したのが心残り」というので、それを解消するために組まれた企画、という体になっているが、本当のところは5期生の顔と名前、そして個性を大観衆に知ってもらうための顔見世。1曲だけではなかなか伝わらない部分も、ネタを披露することで1分近く、マリンメッセ福岡の主役になることができる。横浜スタジアムに続いて、彼女たちは本当に貴重な体験をした。

トークコーナーといえば、なつみかんこと田中菜津美とのMCも今回がラスト。打ち合わせナシ、台本ナシで何分でもしゃべり続けることができる2人のトークはHKT48のコンサートにおけるエンターテインメント性を大幅にアップさせた。「今日で最後ですね……」という話から入ったのに、感傷はまるっきりなく、ひたすら笑わせて終了。金のとれる箸休めは最終回まで絶品だった。

セットリストの後半は指原のHKT48時代を振り返ることになったが、楽曲というよりも、コンサートでの「名シーン」を再現することにこだわる趣向。2015年の横浜アリーナに登場した恐竜が再臨すると、あのとき華麗に襲われた卒業生の冨吉明日香まで登場。このとき指原が「今回はスペシャルゲストを呼ばないと決めていたけど、恐竜が出るなら、と冨吉を呼んだ」と語り、このあとサプライズゲストが登場しないことが確定。やはり、今日の主役はHKT48なのだ。

令和の時代にまさか『ウキウキWATCHING』(『笑っていいとも!』のオープニング曲)を聴けるとは思ってもいなかったが、たしかに「指原史」には欠かせない一曲。

『ヘビーローテション』ではステージ上にたくさんのスタンドマイクが並ぶ中、当時、指原が立っていた端っこのポジションで、あのとき歌っていたパートだけを歌う、というなんともシュールな演出。終わってみれば、曲のほとんどを観客が歌うことになり、ラストも無人のセンターマイクがアップになって、その奥に指原がぼんやり映っている、という結末になったが、これは単なる自虐ネタではなく、ここから頂点まで昇りつめることだってできるんだよ、というメンバーに対するメッセージでもある。

指原が主役のように見えても、最終的にはHKT48が目立つようになるのが、この日の演出に根底の流れる共通項だった。
AUTHOR

小島 和宏


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